”月光”

梅島あたりから日光街道は土の車道になると竹野タクシーの車体はガタピシャと振動する様子は西部劇の馬車よろしくであった 夜露に濡れる土の匂いはまさに泥臭かったし風景も江戸時代そのものが存在していた 月明かりに照らされる紅の縮緬のむっちりとした太ももを横目に未来への希望に溢れたわけは清のシフトレバーを握りしめる牡丹がいるからだった

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