”密林”

柳はボストンバッグからカメラを手にするとラーメン屋台をパチリとシャッターを切った リヤカーの車輪を見て南方の銀鱗部隊が走馬燈よろしく黙示録となって記憶が蘇った ジャワ島で玉砕された部隊は散り散りになり柳はシンガポールの捕虜収容所へと送られた 収容所とは名ばかりでジャングルに置き去りにされたも同然の環境であった そこは自給自足の野生の生活であった

表2