”歌劇”

あこがれのプリマドンナの衣装を身に付けて赤毛のオカッパ刈りのカツラを放り投げた角刈りの坊主頭に白鳥の羽飾りを被ると丹頂鶴子に瓜二つの姿に変身した 人の足音がした プリマドンナは白いシーツにに身を隠した 焼場守りは野ざらしの無縁仏を抱き上げて窯の中へと放り込んだその時だった タタタタタラタッタタタタタッタと携帯ラジオからチャイコフスキーの白鳥の湖が流れてくると 死んだはずだよお富さんよろしく踊り出す丹頂鶴子に腰を抜かす焼場守りは 大変だべさあと大声で叫ぶのだった

22/06/03 07:01:10
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