”PUSSYCAT”

画商という仕事柄で取り扱う作品の作家の工房作業場へは見聞を広げに出向くのだが大体の作家は偏屈な人柄である タバコを呑んでいて灰がタバコ一本分くらいまでなったところで次のタバコに火をつけての繰り返しで食事以外は寝るまでそうしてタバコを呑みつづけていたり ジャズのレコードを大音量で鳴り響かせ踊りながらキャンバスに絵筆を走らせては油絵具をチューブごと擦りつけながら制作中はコーヒーを20杯は飲む絵描きやら そのなかでも桃川光重はいまだ江戸時代の世界に漂っているのであった

pussycat