”金色カジキ”

乗りたい 虹子が言った 乗せてよ ここはまずいっぺよ 舵木弦三は照れ笑いしている…

”渚”

海岸を歩くとキュッキュッキュッと砂が鳴いた 入江の美波浜だ 浜の真ん中には昔の漁…

”助六”

黒松は 道りを挟んで左右に 弧を描きながら 海へと植わっていた 湊町は江戸時代の…

”海月”

美味しかった 土用のウナギ 平賀源内も草葉の陰から鼻高々のことだろう 虹子は 舵…

”土用の丑の日”

虹子は忙し過ぎてバタンキュー寸前だったところへ舵木弦三が助け舟になったことを告げ…

”夢は夜ひらく”

アケボノビールの新聞広告に出た虹子は 御指名が引っ切り無しに掛かった アケボノビ…

”ひまわり”

ピエロのゴム風船はあちこちに落ちていた ピエロちゃんのズボン穴開いてんじゃないの…

”ハートのエース”

おまたせ 暖簾越し虹子が 言うが早いかピエロは舵木弦三を追い越して振り向いた な…

”赤い風船”

へいらっしゃい すし屋の大将がギラギラ金歯でむかえた カウンターにはピエロがぽつ…

”オキドキ”

お客様 申し訳ございません 虹子さん 体調が悪くて帰しました マネージャーは屈み…

”アケボノビール”

指名してくれてアタシうれしいわ ホステスはサービス業である お客様は神様である …

”網タイツパート2”

蒸し暑い夏の夜の始まり 舵木弦三はキンキンに冷えたビールをゴクリとやった まわり…