客室の障子がスルリと開くと ステテコ男の後ろ姿が見えた 連れの女の洋服の背中のジッパーを上げて 振り向き様に大欠伸をした ステテコ男は夕焼け空を見上げるとコチラへ視線を移した その顔を見て虹子は あっ!と声に出した ステテコ男も目を細めて注視した 虹子ちゃんやおまへんか!すっきりとした顔で手を振って来た ステテコ男は鮫島貿易の社長 鮫のような紳士であった