”天然物”

愛人が辱めを晒されているのに全国放送のテレビ中継の中で農林水産大臣としてスキャンダルは御免被りたい金賀大次郎にほどほど呆れる銀座高級クラブ”ドンブラコ”のママさんはヌルヌル滑るウナギの尾鰭を抑えて黒真珠が眠るアコヤガイへの侵入を拒むのであった　それでも生死を賭けたウナギのもがきには為す術もなかった　公共の門前で己は何をしておまんがな？鮫のような紳士は並木桃子の前に仁王立ちしてパッと網のズロースを引きずり下ろすとウナギは一網打尽であった　ハンドバックを開けてんかいな！スッとウナギの入った網のズロースをハンドバックへと押し込むとニヤリと笑う鮫のような紳士であった