”チャルメラ”

いらっしゃいませえ 湯煙の中から現れたラーメン屋台の店主は見るからにのんびりした顔の男だった 一番上の引き出しから麺玉を取り出すと湯切り網を置いた寸胴の蓋を開けてポイと麺玉を放り込むと菜箸でクルクルと麺玉をほぐす様子を見せないように蓋を閉じる音が手品の始まりの合図のようであった

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