”あうん”
哲学 福田さんの”日本を思ふ” 半年で読んだ 勉強になりました 生きるとはなんだという意味のない意味を探っていたが 死ぬまでの暇つぶしと思ふ オレの絵を売りたいという 金が欲しいか 幸せを恵みたいか 善三さんはホンにいい人だったのう まるで仏様のような人が仏様になってしもうた 村人はピクリとも動かない善三さんを見て 皆口々に別れを惜しんだ そこへ 派手な化粧をした薔薇柄のワンピースを着た夜の女がヒラヒラと町会所の土間に舞い込むと しなびた沢庵のような善三さんの腕を掴んで このクソジジイ!と号泣するのだった 女の腹の中には85歳で死んだ善三さんのワスレナグサが泳いでいた
