”泳げ鯛焼きくん”

牡丹鍋屋の二階座敷からは畳が隅田川へと万万と投げ込まれた　神楽坂芸者の虎丸は命辛々で畳に乗るとハンマー！ハンマーどこだえ？と気が狂ったように叫ぶのだった　レインボー丸の船長は燃えさかる湯船の中で気絶するハンマーヘッドシャークマンを見つけると船棹をハンマーの仮面へ放ったが船棹が湯船の天井に挟まって引きずり出せなかった　レインボー丸の船長は船底へ潜り隅田川の底へ船棹を突き刺した　ドカーン！水面では湯船が爆発して船棹は鯉幟よろしくハンマーヘッドシャークマンを靡かせていた　爆発の勢いでハンマーが首から下げていたタイトルマッチの賞金が辺り一面に苦笑いのベンジャミンフランクリンの１００ドル紙幣が散乱するのを見て金は天下の回りものとは良くいいましたわと感心する鮫のような紳士の絵空事のような態度が銀座の高級クラブ”ドンブラコ”のママさんこと並木桃子は独占欲を掻きたられるのであった