”末広がり”

喜上八郎 安売りで都内一円に進出してプロレタリア家庭の主婦のガマグチの見方と評判の喜八スーパーの創業者であった もともと家庭用常備薬の反魂丹の薬売りだった喜上は訪問先の家庭の主婦との世間話で世間が求めているものを承知していた それは便利という二文字であった 今夜のおかずはなあに?鼻垂れ小僧とぐうたら親父の大好物の肉ジャガを作るのだって 商店街の入り口の肉屋に行って牛肉の切り落としを買って商店街の突き当たりの八百屋で玉ねぎとにんじんとジャガイモを買って商店街の三本裏通りの豆腐屋で白滝を買って一番重たいビールをまた商店街へ戻って買って 買い物カゴの腕はパンパンだし買い物で要した時間は近所の奥様たちとの井戸端会議も合わせると優に小1時間と言うことであった そこで一ヶ所で全て買い物ができるスーパーマーケットのお出ましであった

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