”カモメ”

虹子は港町大路を必死で走った 後から突いてくる駒下駄の音は こら待てえーっと叫びながら 浴衣姿の角刈りキツネ目の中年男が追いかけてきた 振り向くともうすぐそこに狭っていた ドスン 虹子は大きな肉の塊にぶつかった オウアウチ!ユアーオーケイー? それは真っ白なセイラー服の巨体な水兵さんの群れだった アイアム ソーリーヒゲソーリと虹子は言うが早いか 続きのドスンが響いた オウーノウー!オーマイ ガブリエル! 水兵さんの群れの中へ 背中一本柱の浴衣に薔薇の花模様のズロースの一輪挿しが横たわっていた

20/08/11 07:27:18
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