”先物取引”

トーキョー新聞の株式欄には小豆相場の高騰は天井知らずという評価に鮫島貿易の社長はまさに赤いダイヤだすなあ！と感心至極うなずくと口笛が聞こえて来た　新聞紙をずらして覗くとセーラー服の西洋人らしい男が割り箸を紙やすりでシコシコと削っていた　いろんな人間がいるもんだと一部上場銘柄の株価に目をもどした　あら？もういらしてたの！と聞き覚えのある声が聞こえると又もや覗き込むとなんとビックリ仰天島のクラブ金魚のママであった　鮫のような紳士は知らぬがぞんぜん事の成り行きを聞き耳たてた　アナタニ　ハヤクアイタクテ　アイタクチフサガリマセンカラ　コレ　プレゼント！　ハワイイノ　コアウッド　エクスペンシブ！　デスイズ　カンザシ！　と言うセーラー服野郎はさっきまでシコシコ削ってた割り箸を　西陣帯のムッチリとした島田髷の髪へと差し込むのであった