”看板役者”

日本橋のレストラン東洋でBランチの腹ごしらいから食後の散歩へと室町の昭和画廊へ入った鮫島貿易の社長は鏑木清方の”イワシ売り”の絵の出迎に和んだ 絵はいい 何も考えなくても物語が語りかけてくる 子供自分の門前の小僧時代に葛飾北斎の襖絵の龍を見てから生活の中には絵がなくてはならない性分になった これという趣味もないが小銭が入れば気にいった絵を買った お気に入りの絵ですか?と声をかけてきたのは美人の画廊オーナーだった この作品の題名は”行っちまった”で作者は桃川光重です 男が虚空をつかんで白目をむいた奇妙な構図の絵だった

22/06/04 12:37:25
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