”モーニングコーヒー”

佃島からは森永丸のオヤジが渡し舟で築地へと上陸したレインボー丸の船長は硬い地面に立つ感覚が久しぶりで早朝の河岸の活気もあいまって慌ただしい心持ちが旋風のように吹いた コーヒーが飲みたい 舵木弦三は晴海通りを東へと歩いた 築地本願寺の交差点を過ぎると人気もまばらで御天道様がすっきりした冬空に気分がいい モーニングと書かれた板看板がちらりと目についた コーヒーの香りがした 扉をおすとカランと牛の首鐘が鳴った山小屋風の店であった おはようございます!カウンター越しから黒い蝶ネクタイに真っ白なワイシャツ姿のちょび髭の男が迎えたのだった

22/06/16 06:53:00
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