”ハッピーセット”

昭和画廊の美人オーナーは日本橋室町から今川小路を抜けて中央区と千代田区の境界の内神田にいた 浮世絵師の桃川光重の仕事場である 典型的な長屋で木戸はガラス戸に変えてあったが床は江戸時代の面影が残る傷だらけの杉板の四畳半の上に和紙を広げ絵を描いていた こないだの”行っちまった”売れましたのよ 絵師はお茶を入れながら ありがとうございますと告げると粗茶ですと緑茶を差し出した 美人オーナーは描きかけの反対に見える絵をみると これは何をかいてるんですか?と聞いた ”灯台下暗し”ですと返す絵師だった

22/07/11 06:38:23
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