”トラック野郎”

進駐軍のクリスマスパーティーには米軍キャンプのどさ回りで人気の日本人ジャズバンドや浅草で演芸する奇術師やら盥回しヌードダンサーなどが招集され山王ホテルのレストランの即席ステージで興行が催された　食事のゴールデンツナソテーの金色カジキの解体ショーでは三軒長屋から楠運平橘正友というやっとう流の剣術の先生が１００キロの金色カジキ を一刀両断にするとヤンキー野郎からは歓喜の声が上がっておおいに盛り上がった　そして演劇は”赤いズロースの女”が興行の締めであった　主演はバレリーナ の丹頂鶴子でミュージカル仕立ての悲劇で　女装家の男が赤いズロースを買ってあげると言われ異人さんに連れられて遠い国へと売られていく物語であった　これが頂けなかった　ヤンキー野郎らから野次怒号のブーイングで国際人道問題へと発展したのだった