”Fly Me To The Moon”

木版画の浮世絵は江戸土産として日本全国へと広まっていった 一枚の値段は一杯のうどんより安くて軽くてかさばらなくて何よりも多色の色刷りは美しく土産物として格好の品物であった 版元は売れる絵を考えて絵師を選び絵の内容を指示して彫り師が版木に仕上げ刷り師へ色の指示をして一杯という200枚単位で浮世絵を制作して販売した 販売所は東海道の品川あたりが多かった 刷り師の絵呂本はカレーライスをぺろりんちょと平らげると目の前でモグモグとビーフステーキを頬張る福良萩子へ ビフテキ柔らかいですかい?と聞くと女力士は首を縦に振ってみせると ビフテキ!と大声で注文した ホール係のオカマ野郎は眉はしかめて愛想笑いでビフテキワン!とオープンキッチンへと注文を通した それにしてもこの女ね昭和画廊の美人オーナーに瓜二つじゃござんせんか?と戦国武将よろしく軍配をビールのコップに持ち替えて刷り師は先生こと浮世絵師の桃川へ聞くのであった

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